2020年 桜の撮影記録(2)

に引き続き、2020年の京都の桜を巡ります。
2022年の開花予想は、2020年実績の4日遅い3月26日、満開予想は4月2日となっています。
3月24日 水火天満宮の紅しだれ、本満寺の枝垂れ桜
この日はまず、水火天満宮をお参りしました。広くはない境内で、所狭しと枝を広げた紅枝垂れ桜が見頃となっていました。
由緒は、都の水害・火災を鎮めるために醍醐天皇の勅願で建立された日本最初の天満宮。
地下鉄鞍馬口駅から西に徒歩10分ほどの場所にあり、茶道の表千家、裏千家の家元屋敷がならぶ寺之内界隈から北にすぐです。
次に訪れたのは本満寺。形のよい枝ぶりの枝垂れ桜が満開の花を咲かせていました。
見事としか言いようのない咲きっぷりです。今年一番のおススメでした。このページのトップの写真も本満寺の桜です。
最寄り駅としては、京阪出町柳駅。駅から徒歩10分です。
京都御所の旧近衛邸跡の糸桜からも徒歩10分ぐらいの距離ですので、枝垂れ桜の花見のハシゴができます。
3月25日 平野神社の魁桜、千本釈迦堂の阿亀桜
次は、平野神社の魁桜です。桜の名所として境内には数多くの種類の桜がありますが、早咲きの桜「魁(さきがけ)桜」が、他の桜に先駆けて咲きます。この日満開でした。
平野神社は、北野天満宮の最北端の門、北門を出て西に歩いて2分の距離です。
京都駅からは市バス205系統、50系統で衣笠校バス停下車。境内にはコインパーキングがあります(参拝者は15分無料)。
平野神社から東に徒歩10分ほどで千本釈迦堂に着きます。
大報恩寺(千本釈迦堂)には、阿亀(おかめ)桜と呼ばれる枝垂れ桜があり、ここも見頃となっていました。
鎌倉時代に建立された本堂(国宝)は、応仁の乱の戦火を奇跡的に逃れた洛内最古の建造物です。「おかめ」は本堂建築時の大工の棟梁の妻の名で、桜の前におかめ塚と像が建てられています。そのいわれとなる悲しい逸話は、本堂内で絵物語として展示されています。
境内に無料駐車場があり、七本松通り沿いの入り口から入ります。
3月29日 東寺の不二桜
不二桜は、樹齢120年を超える高さ13mの大きな紅しだれ桜の木ですが、古くから東寺にあったわけではありません。2006年、空海が唐から帰朝された806年から1200年記念として三重県から移植されたものです。弘法大師の「不二の教え」から不二桜と命名されました。
不二桜が見頃になったこともあり、夜の特別拝観と夜桜ライトアップにも行ってきました。満開の桜に囲まれて美しくライトアップされる五重塔とそこに漂う神聖な空気感は、何度訪れても感動してしまいます。
残念ながら、このライトアップは、感染症拡大防止のため、4月3日以降、中止となりました。
東寺へはゲストハウス御旅庵から徒歩4分です。
境内には有料駐車場があります。駐車場入り口は、大宮通東寺道交差点角。
3月29日 六孫王神社
清和源氏の始祖、源経基をご祭神とする由緒ある神社。源経基は、清和天皇の第六皇子の子で、清和天皇の孫にあたるため、六孫王と名乗り、この地を住居にしたとされています。満開のソメイヨシノに灯篭の朱色がよく似合います。
ゲストハウス御旅庵から六孫王神社までは、八条通を西に徒歩5分の距離です。
境内に参拝者用無料駐車場があります。
4月2日 金戒光明寺、真如堂
黒谷さんとして親しまれている金戒光明寺。山門前のソメイヨシノが満開でした。
変わりやすい天気でしたが、雲間が切れたわずかな時間に晴天を背景にした写真が撮れました。幕末に京都守護職の会津藩が本陣を置いただけあり、石段から見上げる山門は迫力があります。
最寄り駅は、京阪・神宮丸太町駅。5番出口より春日北通りをまっすぐ東に進み徒歩16分。平安神宮からは徒歩10分の距離です。境内に有料駐車場があります。
金戒光明寺から真如堂(真正極楽寺)はすぐ近くです。
金戒光明寺の広い境内を通り抜けて北門からは徒歩2分。春日北通の高麗門に戻ってから坂道を進むと徒歩8分ほどです。
車の場合、真如堂参道の石畳の先の赤い総門をくぐると数台分の参拝者用駐車場があります。紅葉の時期以外は無料です。
写真は本堂横の小径。桜と青もみじが競演していました。秋には紅葉が美しい場所です。
この日は、雨が降ってきたため、撮影は途中で中断しました。近くの竹中稲荷神社は翌日にリベンジです。
4月3日 竹中稲荷神社
竹中稲荷神社は、吉田神社の摂社で吉田山の南側の尾根にあり、少しきつい坂を登りらないといけません。真如堂から徒歩5,6分ほどで最初の鳥居に到着します。
参道には朱色の鳥居が幾重にも連なり、その間に桜が重なることから桜のミルフィーユと称されてインスタ映えのスポットになっています。
鳥居の先にWEB予約制の民間駐車場がありますが、道はかなり狭いです。
4月3日 蹴上インクライン、南禅寺
蹴上インクラインは、琵琶湖疏水の水路で落差の大きい地点間を舟で行き来するため、舟を台車に載せて上下させる施設です。明治時代から昭和初期まで利用された線路が残っており、その両脇に沿って咲く満開のソメイヨシノが連なる風景は圧巻です。
例年、線路の上に多くの人が花見に集まるため、桜を撮るより人の頭を撮っているような写真となってしまいますが、今年はコロナの影響により人影まばらなレアな光景となりました。
最寄り駅の地下鉄東西線の蹴上駅からすぐ。
駅をはさんで西側には蹴上浄水場があり、斜面一面に植えられたツツジがゴールデンウイークのあたりで満開となります。毎年「蹴上のつつじ」として浄水場の敷地が一般公開されますが、今年は、ご多分に漏れず中止となりました。
蹴上インクラインから、4、5分ほど歩くと臨済宗南禅派大本山・南禅寺のに中門に到着します。
写真は、法堂の北側にある南禅僧堂の桜です。白壁と薄紅色の桜が調和する美しい風景に心を打たれました。
4月6日 大覚寺・大沢池
旧嵯峨御所大覚寺門跡の境内東側に広がる大沢池は、平安前期、嵯峨天皇の離宮に作庭された日本最古の庭池の一つ。以前は、無人のゲートに文化財維持協力金として200円を入れる箱があるのみでしたが、2020年3月よりより有人の料金所が設置され、お堂エリアの拝観料(500円)とは別に300円の大沢池エリア拝観料が設定されました。

大沢池の畔に建つ心経宝塔(しんぎょうほうとう)を背景に桜を撮りました。
大覚寺の最寄り駅は、JR嵯峨線の嵯峨嵐山駅。北口より徒歩15分。
門前に有料駐車場があります。
4月6日 嵐山
嵐山公園・亀山地区の小高い丘の上に展望台があり、保津峡を望む絶景が見られます。
渡月橋北詰から川上方面に進み、舟乗り場を超えたあたりに嵐山公園への入口があります。ややきつい傾斜の石段を登っていきます。
公園北側の竹林の小径やトロッコ嵐山駅方面からですと傾斜はやや緩やかで、石段がないので自転車で登ることも不可能ではありません。実際にここには自転車で行きました。
上の写真は亀山地区展望台から望む、保津峡向かい側の大悲閣千光寺です。
この千光寺には渡月橋南詰から大堰川右岸を1㎞ぐらい川上に進み、登り口から坂道の参道を登ります。お堂から見下ろす保津峡もまた絶景で、大堰川左岸を走るトロッコ電車もよく見えます。
上の写真は大堰川右岸から見た渡月橋です。普段のシーズンであれば、橋の上はかなり混雑しますが、コロナの影響で行きかう車や人はほとんどいませんでした。
嵐山・渡月橋エリアへのアクセスは、嵐電・嵐山駅、阪急・嵐山駅、JR嵯峨線・嵯峨嵐山駅から、それぞれ徒歩3分、5分、10分です。
4月9日 妙心寺・退蔵院
2020年4月7日、埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,大阪府,兵庫県及び福岡県の7都府県に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発出されました。京都府はこの時点では対象外です。
妙心寺塔頭の退蔵院 の庭園、余香苑(よこうえん)の入口の紅しだれ桜はソメイヨシノよりやや遅めに満開を迎えます。この場所は、2013年春の「そうだ、京都行こう」で紹介されました。
桜の季節に限らず、余香苑に広がる風景はいつま見ていたいと思わせる趣があります。
妙心寺は、JR嵯峨線・花園駅から徒歩5分。参拝者用駐車場があります。
4月9日 仁和寺・御室桜
妙心寺の北総門から北西方向に徒歩10分ほどで仁和寺の二王門に到着します。
仁和寺の御室桜も遅咲きの桜で例年4月中旬に見頃となりますが、暖冬の今年(2020年)は、この日、すでに満開でした。
御室桜は背丈が低い木のため花の位置が低く、桜園の中を歩くと桜の花に包まれたようになります。境内には、ミツバツツジやシャクナゲも咲いていました。
仁和寺には嵐電・御室仁和寺駅から徒歩3分。
以上、これまで、感染症拡大防止の「三密行動を避ける」ため、公共交通機関を使用せずに主に自転車で京都の桜の名所を巡ってきましたが、4月10日には、とうとう京都市長より京都観光を自粛するよう発表がありましたので、以降の桜巡りは自粛としました。
来年は晴れやかな気分でお花見ができるといいですね。
